※インタビュー記事(聞き手:庄島瑞恵)

「さぎんSDGs取組支援・宣言サポートサービス」をスタート。
企業のSDGsの取り組みを伴走しながらサポートし、未来を創る

「このまちであなたと…」。佐賀んもんにとっては馴染みのフレーズで地域に周知されている佐賀銀行では、2022年1月から「さぎんSDGs取組支援・宣言サポートサービス」をスタートしました。行内でのSDGsの取り組みや新しいサポートサービスについて、行内全体のSDGsの取り組みを引っ張っているお二人にお話をお聞きしました。

部署の垣根を越えた取り組み

佐賀銀行では、2019年10月に「佐賀銀行グループSDGs宣言」を制定し、持続可能な地域社会実現のために具体的な目標を掲げて全行を挙げて取り組んでいます。特定の部署のみではなく部署の垣根を越えたこの取り組みは、川原さん、西山さんをはじめとするサステナビリティ推進チームで協働しながら進められています。

「弊行は、銀行全体でSDGsの取り組みをやっていこうという発想から、部内で偏りがないよう各部でまたがって動いています。総合企画部と営業統括本部は行内の業務を遂行する業務とお客さまに向けての業務、大きく分けると銀行の中と外という感じで分かれていますが、双方で同じ目標に向かって取り組んでいます。」(川原さん)

SDGsの概念が浸透する前から

「環境保護に関しての活動は1997年から佐賀市護国神社周辺の多布施川での清掃活動を『クリーン河童作戦』と称して本部や市内店舗の行員をはじめ、その家族が100名以上も参加して地域住民の方々と一緒に清掃をしています。
弊行の研修所が近くにあるので、地域への感謝の気持ちを込めて続けています。」(西山さん)

佐賀銀行グループ内のSDGsの具体的な取り組み
  • グループが排出する温室効果ガスを2030年度に2013年度比46%削減
  • 行内のペーパーレス化推進のための仕組みづくりおよび廃棄用紙を行内で再生・循環する仕組みづくり
  • 行内のSDGsに対する理解度100%達成(理解度はアンケートで計測)
  • 省エネ促進のため行内LED化100%達成(法定部分除く)
  • グループが排出する温室効果ガスの可視化および地域への横展開により地域脱炭素化を牽引

ゼロカーボン化。基準年と比較してCO2削減量が大幅にアップ!

SDGsの具体的な取り組み目標の中で省エネについてはどんどん成果が上がってきています。照明や冷暖房の省エネ化が効果的に表れているようです。

「LED化は全店100%完了を目指して動いており、向こう3年の間には完了する予定です。LEDのほかに空調設備の効率化も図り、CO2の量は年々減り続けています。空調については機械の入れ替えのタイミングで省電力の空調に変えていきました。」(川原さん)

「弊行では2013年度を基準年として目標を掲げています。基準年は5839tの排出で、直近3年間のデータでは、2019年度は3614t、2020年度は3556t、2021年度は2832tまで削減することができました。弊行がCO2を排出する要因は9割方が電気によるものでしたので、省電力は効果がありました。また、店舗の統廃合も影響しているかと思います。」(西山さん)

業務上不可避な「紙」の削減、再生・循環の仕組みづくりを推進

佐賀銀行グループで掲げた具体的な取り組み目標に掲げた「行内のペーパーレス化促進」については、ペーパーレス化を推進するだけでなく、廃棄用紙を再生・循環させることまで視野に入れて取り組みを進めています。

「銀行には書類などの保存期間がありますので、どうしても「紙」と切り離すことは難しいのですが、ペーパーレス化もかなり進み、2017年度と比較すると900万枚くらいは減らすことができました。現在、保存期間を過ぎた紙を処分する際に、紙を再生する機械を導入する計画も進めています。再生した紙で名刺や封筒などをつくり、資源を循環させる流れをつくっていきたいと考えています。」(川原さん)

先進的なSDGsの動きを提案した若手グループ

SDGsスタディグループ

2021年10月から今年3月まで結成されていた「SDGsスタディグループ」は、20代の若手行員を中心に7人のメンバーが、週1回ミーティングをして行内のSDGsについて課題を挙げてボトムアップで提案を行ってきました。前述のペーパーレスをさらに推し進めた紙を再生する機械の導入は、若手の柔軟な発想から生まれたそうです。

「若手のメンバーがいろいろと調べて提案してくれました。グループは解散しましたが、グループで話し合ったり提案したりした議案は、現在、サステナビリティ推進チームとして私たちが発展させていくために事案を進めています。」(西山さん)

1月からの新サービス「さぎんSDGs取組支援・宣言サポートサービス」

2022年1月から、地元企業のSDGsへの取り組み促進に向けたサービスが始まりました。企業のSDGsについて、ヒアリングして取り組み状況を確認・整理、可視化することで状況を把握し、企業の目標や課題を伴走しながら解決していくサービスで、SDGsについて関心がある、あるいは取り入れたい企業にとっては「味方」のような存在です。

「このサービスは、従来の銀行業務の枠を超えて、もっとお客さまの懐に一歩踏み込んで、お客さまの事業や経営環境を深掘りして課題に対し支援、提案できるような体制をつくっています。対話をさせていただくことでお客さまの強みや弱みを可視化して、できているところは継続して、課題については次のステップへと解決できるお手伝いをいたします。分かりやすく言うと、省エネをお考えの企業様には太陽光の会社さんを紹介したり、LEDの会社をお繋ぎしたり、コンサルティング的な立ち位置でサポートさせていただいています。環境問題に取り組みたいという企業様も増えてきて、意識が変わってきているように感じます。私たちがお手伝いすることで県内のSDGsの取り組みが進み、安心して住み続けられる持続可能なまちになれば素晴らしいことだと思います。

佐賀のよりよい環境が持続的に維持・発展できれば佐賀に住みたい、佐賀に残りたいといった子ども達が増えて、地域の好循環がうまれることを期待したいです。」(川原さん・西山さん)

お話をお伺いした人

佐賀銀行 総合企画部 経営企画グループ 調査役 西山 孝史さん(左)
佐賀銀行 営業統括本部 コーポレート法人戦略担当 調査役 川原 卓也さん(右)